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トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
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本格的にハマっちゃってます。
アンリミこと、THE UNLIMITED 兵部京介。

アニメも毎回何回も観つつ(え)、今は可憐GUY'Sをヘビロテ(苦笑)
それには飽きたらず、とうとう過去のキャラソンやドラマCDにも手を出したり・・・
もはや、笑うしかない諏訪部さん効果。
まぁ、とはいえ本編にも過去のCDにも、諏訪部さん演じるアンディさんは出ていないわけですが・・・

そ・こ・で

「過去のオーディオドラマに、アンディさんが出たらどうなるか?」という妄想が、現在進行形で膨らんでおります(え)
手始めに、コチラを・・・

お心優しい方は、どうぞおつきあいくださいませ。


*******************

「絶対可憐チルドレン キャラクターCD 5th session/兵部京介」
トラック3:ショートドラマ「兵部の休日~パンドラの一番暑い日」より


「もしも、ショートドラマ「兵部の休日」にアンディ・ヒノミヤが出演したら・・・」


【これまでのあらすじ】
桃太郎の修理をするために、真木とともに旧陸軍の施設跡へ入った兵部。
そこで、彼は偶然バベルの皆本と遭遇し・・・
かくして兵部と皆本は、真木(と桃太郎)を巻き込んでのサウナ対決となったのであった。

のだが・・・



「ああ、ちょっと待て」
兵部は、勝負に燃える一同ーー皆本、真木、桃太郎を片手で制した。
「なんだ?急にどうした兵部」
「いやなに、せっかくこんな素敵な勝負になったんだ。
勝負には盛り上げ役が必要だろう?」
兵部は、いたずらを思いついた子供のように笑うと、パチンと指を鳴らした。
すると・・・

「どわぁぁっ!」

突然、誰もいなかったはずの空間に、一人の青年が現れた。
青年の出現は、当人にとっても予期できなかったことであるらしく、彼は着地に失敗したように盛大に尻餅をついた。
「いってぇ・・・」
痛そうな顔をしながら辺りを見回した青年は、自分が、今までいたはずの空間とは全く違うところにいることに気づく。
「ってあれ・・・?俺、なんでこんなトコに?」
「やはりリミッターをつけていたか。ちゃんと言いつけを守っているようで僕はうれしいよ、ヒノミヤ」
状況がのみこめぬ青年ーーパンドラのスーパールーキー、アンディ・ヒノミヤに向かって、兵部は満足そうに声をかけた。
兵部の姿を目にするや、ヒノミヤは状況を理解した。
「って、兵部!さてはてめぇ、また俺を勝手に瞬間移動で呼び寄せやがったな!」
「これから僕は、ここで皆本くんと決着をつける。
勝負には見届け役が必要だ。君もつきあいたまえ」
「はぁっ!?だからって、なんで俺を呼び出す必要があるんだよ?
そんなモン、当人同士で勝手にやってりゃいいだろ?俺は付き合わねぇからーー」
ヒノミヤが、あきれ口調で立ち去ろうとすると、兵部が彼のジャケットの後ろ襟をおもむろに掴んだ。
「まて、ヒノミヤ。
これは、パンドラのリーダーである僕の命令だ。素直に従いたまえ、新入りくん」
兵部の有無を言わせぬ口調に、ヒノミヤは反抗心たっぷりの目を向ける。
「・・・ちっ。こんな時だけ、リーダーぶりやがって・・・」
「少佐の命令だ。おとなしくそこに座れ、ヒノミヤ」
このとき、ヒノミヤの背後から真木の声がした。こちらもこちらで、普段仕事の指示をするのと何一つ変わらぬ命令口調である。
「って、真木さんまで・・・
へいへい。座りゃいいんだろ、座りゃあさ」
あんたは、単に道連れがほしかっただけだろ・・・
という言葉は飲み込んで、ヒノミヤは仕方なく兵部の言われるがままに腰を下ろした。
(ったぁく、バベルとパンドラの上層部の個人的な諍いなんて、勝手にやってろっつの・・・)
ふてくされた顔をして頬づえをつきつつ、ヒノミヤは、しぶしぶ勝負に付き合う羽目になったのであった。
「せっかく呼んでやったんだ。ありがたく思えよ」
「思うかよ!!」

そして・・・

「10分経過。室温・・・95度・・・」
真木は、手元の時計と温度計をみて、冷静に告げた。
しかし、その声はすでに限界をこえた人間のように苦しげである。
それもそのはずーー。
室内の温度は、すでに通常の人間が耐えうるレベルを越えているのだから。
エスパーだとかノーマルだとかはもはや関係なく、大概の人間であれば、失神しておかしくない。何しろ、あと5度でお湯も沸騰する暑さ・・・いや、「熱さ」なのだから。
しかし、それほどの異常な室温にもかかわず、室内に残るものたちは皆、暑苦しい服装のまま、必死にこの状況に耐えている。
皆本がネクタイをゆるめれば、これ見よがしに兵部がつっこみを入れ、その兵部が学ランの上着を脱げば、それもまた皆本が厳しく指摘してくる。
まだ脱ぐものがある彼らは、まだいい。
決して脱ぐことのできない毛皮スタイルの桃太郎は、この熱さを調節することすらできない。
それどころか、「いかにもむさ苦しいちょいワル風の黒スーツ」の真木は、兵部の命令すら逆らって、スーツのジャケットも脱ごうとしない。
「やれやれ・・・いつからそんなに頑固になっちゃったのかねぇ。
君だって小さい頃はあんなに素直なーー」
「15分経過!室温115度!」
兵部が肩をすくめて言うと、真木は耐えかねたのか強引にも叫ぶ。
「話そらした・・・パンドラってのは、こんな奴ばっかりか?」
皆本は、あきれた様子でつぶやいた。
それをきいて、ヒノミヤは、いや、頼むから、そこに俺をいれないでくれよ、と密かに懇願したのであった。
(・・・あー・・・まったく・・・やってらんねぇな・・・)
っていうか俺、こんなところで何してんだろ、とヒノミヤは思う。
一応、目の前にいるのは、エスパー史上最悪の犯罪者のはずであるが、今のヒノミヤには、それすら疑わしい。
どうみたって彼らは、しょーもないことで意地を張りあう負けず嫌いのガキだ。
(真木さんも真木さんだよなぁ。
こんなときくらい、兵部のやつを止めりゃいいのに。
自分まで意地張ってスーツ着ちゃって。どう見たって限界超えてるよありゃ。
こういうときは、腹心が上司をいさめるってのが、日本の忠義ってやつじゃねぇの?)
ヒノミヤが、あきれ顔もあらわに一同を見ていると、ふと、彼に視線を向けるものがいた。兵部だ。
「そういえばーー
きみは、そんな暑苦しそうなジャケットを着ていながら、先ほどから脱ごうともしないね。大して汗もかいていないようだ」
「本当だ。すごいな、きみ」
やっぱり、合衆国の軍人教育ってのはそれなりにすごいんだ、という言葉は兵部のいる手前のみこんで、皆本は目線だけでヒノミヤに賞賛の意を示す。
そういえば、彼はなかなかにいい体つきをしているようだし、きっとこれも、普段からの鍛錬の積み重ねによるものなのだろう。自分も見習わねば・・・と、皆本が感心していると。

「あ、いや・・・これはその、なんつーか・・・
俺、ESP無効化できるから、兵部が超能力で作り出したこの空間じゃ、効果も薄いっつーかなんつーか・・・」

気まずそうに告白したヒノミヤの言葉に、全員が一斉に表情を変えた。

「「「「な・・・っ!なんだとっ!?」」」」

一同の鋭い目が、一斉にヒノミヤに向けられる。
そういえば、彼が首から下げているリミッターが、いつの間にやらオフになっているではないか!
きっと、先刻立ち去ろうとした時のどさくさにまぎれて、ちゃっかり自分のリミッターをオフにしていたのだ。
その甲斐あって、彼には今、この空間はせいぜい「ちょっとあつめのお風呂」ぐらいにしか感じられていないのである。
「なっ・・・なにも、そんな怒ることはねぇだろ!
だいたい、俺は兵部とバベルの職員が決闘するから、その見届人として呼ばれただけだし、俺の勝敗はぶっちゃけ関係ねぇっつーか・・・」
「じゃあなにか、先ほどから君は、僕らがむせるような熱さを必死に我慢して地獄を味わっているのを、涼しい顔をしてみていたというのか!」
兵部は、怒りも露わにヒノミヤに詰め寄った。すると、背後で皆本が鋭く指摘する。
「あっ!今熱いって言ったな、兵部!僕は確かに聞いたぞ」
「今は揚げ足取りをしている場合か皆本!この男は、僕たちの真剣勝負を、ずっとあざ笑って見ていたというんだぞ」
「だれもそんなこと言ってねぇだろーが!」
とんだとばっちりに、ヒノミヤは声を荒げた。しかし、残念ながら兵部には全く聞こえなかったようだ。
「はぁ・・・。どうりで先ほどから頭痛がすると思ったら、君が原因か、ヒノミヤ」
「おうおう。ひどいぞ新入り」
ヒノミヤの背後で、あきれた声があがった。真木と桃太郎だ。
「あー・・・その点に関しては、すんません。できるだけ、二人からは離れたつもりでいたんですけど・・・」
二人の非難はもっともだったので、ヒノミヤは申し訳なさそうに頭を掻いた。
すると、兵部が突然とんでもないことを言い出した。
「とにかく、きみ!
さっさとその首からかけているリミッターをオンにしたまえ!」
「はぁっ!?イヤに決まってんだろ!」
「せっかく僕がプレゼントしたものなんだぞ!ありがたく使いたまえよ!」
「そうだぞきみ!この状況で、ひとりだけ楽な思いをしているだなんて卑怯だ!」
兵部の攻撃に、本来敵同志であるはずの皆本まで加わり、ヒノミヤは頭を抱えた。
「ってええ!?
なんだよこの二人。いつもはいがみ合ってるクセに、こんな時だけ都合よく結託しやがって・・・」
「皆本もそう言ってるじゃないか。さっさとリミッターをオンにしろ!するつもりがないなら、僕が強制的にでもオンにしてやる!」
「あーもーやってらんねぇ!」
ヒノミヤは、自分のリミッターに手をかけてきた兵部の腕を、逆に掴んだ。突然のことで、動揺する兵部。
「なっ・・・!なにをするヒノミヤ!」
「こうするんだよっ!」
ヒノミヤは、驚く兵部の目をじっと見つめた。特徴的なオッドアイの、その左目が赤く光る。

すると・・・

突然、室内の温度が一変した。
吹き出していた多量の熱気は消え失せ、室内を満たしていた100度を超える空気ですら、まるで最初からなかったかのように肌の感覚からなくなっている。
「あ、あれ?熱くなくなった・・・?」
皆本は、突然の室内の変化に、戸惑いの声を上げた。
すると、となりで兵部が、あきれた様子で解説した。
「どうやら、彼が僕のESPを強制的に無効化してしまったらしい」
「あの、ヒノミヤという男が・・・?」
皆本は、驚いた様子で、ヒノミヤを見た。
(まさか・・・。兵部ほどの男のESPですら、無効化してしまうなんて・・・)
このとき、同じ感想を抱いたものがもう一人いた。真木である。
(あの男、確かに変わった超能力の持ち主とは思っていたが、まさか、あれほどまでにやりたい放題だった少佐の力ですら無効化してしまうとは・・・)
ふたりの男の奇異の目には薄々カンづきながらも、ヒノミヤはなにも言わなかった。
確かに、戦力を隠しておくという点においてみれば、さっきのは少々やりすぎだったかもしれない。
しかし、仕方なかったのだとも思う。これ以上、こんなめんどくさいことに付き合いたくはなかったのだ。
「さて、これで勝負は終わりだろ?俺は失礼するぜ」
あきれた様子で兵部と皆本を交互に見ると、ヒノミヤは二人に背を向けて歩きだした。
・・・って、ここはいったいどこだよ!?と、カタストロフィ号から強制的につれてこられたことを今更思い出し、あわてていると。

「ヒ~ノ~ミ~ヤ~ぁ!」

背後で、地獄からはいあがってきた亡者のような声が聞こえた。
寒気を感じ、おそるおそる彼が振り返ってみると・・・
「せっかくの皆本との勝負を、よくも台無しにしてくれたな!」
「もう少しで、兵部を打ち負かせるところだったのに!」
いがみ合っていたはずの兵部と皆本が、そろって恐ろしい表情をつくり、ヒノミヤを睨んでいた。
彼らの背後には、とんでもなく黒いオーラの固まりが見える。
とたんに、これまで大して汗をかいていなかったヒノミヤの額から、多量の汗が噴出した。
いや、これは熱さ故ではない。冷や汗(・・・)だ!

「・・・って、えぇぇぇっ!」

こうして、兵部と皆本の勝負はおあずけになったのであった。


ちなみに、この後、勝負に付き合わされた真木は、熱地獄とヒノミヤの能力にあてられたことにより、三日間体調を崩したという。

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