トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
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また少年の声にあわせて虚像が浮かび上がってきた。今度は、心なしか少し細身の人物だ。
「おっ、糸巻きなら、俺のことちったあ・・・」
蛮が淡い期待を抱いているうちにも、姿を現した花月が、少年と会話を始めていた。
「えっ?美堂くんについて、ですか?そうですね・・・・。」
突然の質問に、さすがの彼は戸惑った様子で言葉を濁した。
どうやら、士度ほどはっきりとは言わないにしても、彼にとっても蛮のことはコメントしにくいらしい。
「何でもいいよ。ずっと思ってきたこととか、今一番言いたいこととか、ない?」
「そうですね・・・・それでは、この際言わせて貰いますが、美堂くん。」
「うっ・・・」
心なしか彼の口調が強くなった気がして、蛮はいやーな予感を感じた。
「毎回僕の容姿のことでからかうの、やめてくれませんか?これでもけっこう僕、気にしてるんですよ。」
言うにつれて、彼の口調はだんだん怒りモードに突入していた。
「はい、そこまで。もういいよ、ありがとう花月くん。」
「え、もういいんですか?はい、それでは。」
優雅に一礼すると、花月の姿は一瞬にして消えた。
まるで、どこぞの激白番組のようなオチに、微妙な雰囲気が漂った・・・・かのように思われた。が。
「おい、てめえさっきからやつらに俺の悪口言うようノセてねえか?」
蛮は、少年の胸倉に掴みかかると、彼に軽くすごんで見せた。
これで少年も少しは懲りるだろう・・・・と思った。
これで少年も少しは懲りるだろう・・・・と思った。
しかし、掴みかかられても、何をされても、少年は表情を変えなかった。
「失礼ですね。僕はこれでも、公平に審判しているつもりですよ。」
けろりと言う口調が、蛮は何とも気に入らなかった。どうしてそう、悪びれもなく言えるんだコイツは?
「じゃあ、もうちったぁマシな人選考えろ。どう考えたって、俺に不利だろうが。」
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