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トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
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前回、思い付きで書いてしまったバサラ慶ちゃん&秀吉SSの後編です。
よかったら、以下みてやってください。




「ー秀吉ッ!?」

慶次は、何かにとりつかれたかのように、勢いよく飛び起きた。
辺りを見回し、明らかに自分の知らない場所であることを悟る。何より、先刻まで自分を担ぎ上げていたはずの旧友がいない。
代わりに、慶次の顔をのぞきこんできたのは。
「おぉ、起きなすった」
見たことのない僧侶だった。
その瞬間、慶次は、自分が今まで夢を見ていたのだと気付いた。

(あぁそうか。そうだよな…
あんな幸せな生活、夢以外にあるわけないよな)

慶次は、寂しげな表情で俯いた。気落ちした口調のまま、僧侶に問い掛ける。
「…ここは?」
「粉河寺じゃ」
「こかわ、でら?」
どこかで聞いた名だ。しかし、どこでだろうか。
だが、その答えを見つける余裕を与えず、僧侶は語り始めた。

「そなたが川岸で倒れているのを、ここの小坊主が見つけてな」
あぁ、そういえば俺、秀吉を止めようとして、吊橋の真ん中で待ち伏せしてたら、秀吉共々、橋を落とされちゃったんだっけか。
そういや、あいつ、俺と一緒に落ちたはずだよな。今頃無事にやってんのか?…そんな疑問が、慶次の頭をかすめた瞬間。

「たっ、大変です!おおっ…表に、敵がっ!豊臣の大軍が…っ」

慶次の眠気は一気に吹き飛んだ。
開け放たれた障子の向こうからは、野太く威圧感のある男の声が響いてくる。
「ー開門せよ。我は豊臣秀吉」
などと。
慶次はむっくりと起き上がった。まだ痛みの残る腰を抑えて、おもむろに歩き出す。

「なっ、何をしとるんじゃ!あんさん」
驚き慌てる僧侶の手を振りほどくと、慶次は片手を申し訳なさそうに立てた。
「世話になったな、ありがとう」
「世話になった…って、あんさん、まさかその体でここを出ていくつもりか?!」
「俺のことなら心配無用だ。今、表で友達が待ってるんでな。
あいつは、俺と違って朝が早いしせっかちだから、ちょっとでも俺が寝坊すると、すぐに呼びに来るんだ。全く…人生、急いて生きても、何の得もねぇってのにさ」
「とっ…友達?」

「豊臣秀吉。そいつが俺の友達の名さ」

不敵に笑って、慶次は部屋を去っていった。
門の外では、秀吉の威圧的な声が、慶次を駆り立てるかの如く響いている。

(あぁ…そんなに急かすなよ、秀吉。

俺は、逃げも隠れもしねぇ。また、昔みたいに楽しくやろうじゃねぇか。
お前も今日は、そのために俺を誘いに来たんだろ?
何しろ、人生が花なら、ぱぁっと咲かせなきゃ損ってもんだからな。
お前ならわかってくれるよな。



なぁ…秀吉?


***********
はい、これにて終了です(汗)
主に漫画設定(??)の慶ちゃん&秀吉でした。
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