忍者ブログ
トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
[19]  [20]  [21]  [22]  [23]  [24]  [25]  [26]  [27
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今度は、花月のほうが考え込む番だった。

「・・・・もしやそれは、美堂蛮のことですか?」

花月がそう言うや否や、銀次(タレ)の表情が、ぱあっと明るくなった。

「そうそう、その蛮ちゃんだよ~。オレは、蛮ちゃんを探してここまで来たんだ。ねえねえ、カヅッちゃんは、蛮ちゃんがどこにいるか、知ってるの?」
「ええ。ですが、彼はもう・・・・」

事態が事態だけに、この青年にどう告げるべきか迷っていると、銀次はひょいっと舟に乗り込んだ。

「いいよ。それじゃあ、そこに連れて行って!オレは、蛮ちゃんに会いに来たんだから。」
「そうですか・・・・―では。」

ニコニコと花月を見つめる銀次に、微かな罪悪感を覚えながら、花月は静かに舟を漕ぎ出した。

美堂蛮のいる、―地獄の島へ向かって。


次回、魔王様再び登場!
実は、もうそろそろ折り返し地点に辿り着きつつあります・・・・

拍手[0回]

PR
ゲドバが中途半端な、こんな時期に申し訳ないですが。
しかし、今回こんなものを挙げてしまってよいのだろうか・・・

『怪盗クイーン』シリーズ(講談社青い鳥の文庫)  はやみねかおる

「クイーンを見よ」
注:とある辞書の「怪盗」の欄には、その一言だけが書かれているらしい?

                    *


まあ、ジャンルを限定しないということですからね、
あえてこういうのにいったっていいじゃないですか。

前回とうってかわりまして・・・・

児童書だけど大人もハマる。一般書だけど子どももハマる。
そんな書き手なのが、著者、はやみねかおるさん。(一応、メフィストの推理作家らしい。)
はやみねさんの作品は、基本的にどれもユーモアが利いていて面白いので、全部オススメだったりします。
(夢水清四郎シリーズとか、虹北京助シリーズとか、僕と未来屋の夏とか
←実は、全部コミック化されてる作品だったり。ちなみに、コミックから入るなら、未来屋が一番オススメです☆)
いろんな作品がドラマ化、コミック化されたりしていますが、
このシリーズは、残念ながら青い鳥の文庫でのみみたいです・・・大丈夫。ライトノベル感覚でいけますから;

ただ、まあ、なんというか・・・・
いわゆる、児童書の部類なんですけど。。。
でも、おなじレーベルから出版された夢水清四郎シリーズは、大人向けの講談社文庫から再出版されているくらいなんですから、年齢はこの際、言いっこなしデスヨ。
それに、飄々としたマイペースキャラ、クイーンと、カタブツ系(?)相棒ジョーカーのペアは、そういう人(強調)には、どうもそういう風(強調?)に映るらしい・・・・(笑)

まあ、それはおいておくにしても。

まじめに言うならば、人工知能RDとの掛け合い漫才(?)もおもしろいし、何より、著者の信条「幸せに終わるミステリー」が、この作品にも生きていると思います!(投げやり?)

ちなみに、クイーンとジョーカーの仲睦まじすぎる(いわゆるそれ系の???)お話をご希望の方は、まずは『おもしろい話が読みたい!白虎編』に収録されている、彼らの出会い編なぞ、いかがかと。
ジョーカーがかわいいですヨ

多分、一番必要なのは、明らかなる子供向け文庫を、本屋さんの子供向け書籍コーナーで手に取る勇気だと思います(笑)

しかし、実は、意外と子持ちのお母さん方の方が読んでいるらしいとか・・・
(どういう意味なんでしょうね・・・・(苦笑))

うおっ、見事に全然ないよう紹介してない。(おいっ!!!
えーっと。
フランス人風だけど、年齢性別?出身地すべて不詳の怪盗クイーンと、そんな彼にいつも付き合わされる?真面目でカタブツ系の相棒、ジョーカーが、人工知能RD(注:しゃべるし、ツッコミマス)搭載の飛行船、トルバドゥールに乗って、世界各地を回る話です。。。

拍手[0回]

それから数日が経った。

「もうっ、蛮ちゃんは!オレをほっといて、一体どこへいったんだよう。」

さまよい歩く一人の男。その名は天野銀次。

「この川を、渡ろうとしていらっしゃるのですか?」

不意に舟を漕ぐ一人の若者と出会った。と、途端。

「カヅッちゃーんっっ!!」

銀次はタレた。そして、若者の肩にぽーんと飛び乗ってきた。

「カヅッちゃんカヅッちゃんっ!会えてうれしいよう。あのね、蛮ちゃんがね、ヒドいんだよう。俺のことほっといてさぁー。・・・・ん?そういえば、どーしてカヅッちゃんがこんなところに?」

銀次(タレ)は、花月に無邪気な視線を送ってきた。それを見て、花月は思わず笑う。

「さあ・・・・そんなことより、この川、もしかして渡るおつもりですか?だったら、僕がお連れしますけど・・・・。」

やや控えめな口調でそう問うと、銀次(タレ)は、目をくりくりさせながら腕組した。

「うーん、どうしよっかなあ・・・・。ねえねえ?カヅッちゃん、蛮ちゃんのこと見かけなかった?」
「蛮ちゃん・・・・?」



まずはじめに、前回のお詫びを。
すみません。
前回、蛮ちゃんを誤って番ちゃんと打ってしまいました。。。
どうか暖かいお心でお見逃しくださいませ;

と、言ったところで。
いよいよ銀ちゃん(救世主?)登場しました☆
皆様、あのかわゆらしいタレ銀を想像しながら、お読みくださいませv

拍手[0回]

まあ、魔術師フューチャーの話しも更新させていただいたところですし、
突然ですが、
ここいらで、もの凄い今更な雑談しちゃってよろしいですかね?

 注)今月号のASUKAのトリブラを未読だという方はもちろん
   根っからの漫画派で、原作なんてよんだことがない、
   特に、OM5巻『薔薇の玉座』を読んだことがない、という方は、大きなネタバレにご注意ください。


拍手[0回]

・・・・そこに大王はいた。

(・・・・なんか、展開が読めてきたぞ。)

蛮は密かに思う。

「あなたですか。あなたがあの、無敵の男、邪眼の美堂蛮。」

大王赤屍蔵人は、現在蛮のいる地上から、おそらく3メートルはありそうな高いところに取り付けられた立派な椅子に座り、そこから蛮を見下ろしていた。
その顔には、面白い見世物でも見るような表情が浮かんでいる。

「実は私は、最近退屈していましてね。相手を、待っていたところなのですよ。どうですか、美堂くん。ちょっと、お手合わせしてもらえませんか。」

キレ長の細い目を向けられ、蛮は、返事に困った。

(・・・・やつの殺気はナミじゃねえ・・・・。きっとやつも、オレの知ってる赤屍蔵人と同等の力の持ち主だ!)

彼が考えあぐねていると、大王は畳み掛けるように言った。

「おや?何か不満でもありますか?あなたの望みなら、何でも叶えてあげますよ。何がお望みですか?料理ですか?女性ですか?それとも、富ですか?」

とたんに、蛮の前には、大王の言ったものが全て現れた。
一流シェフのフルコース、妖艶な美女たち、そして、うずたかく積み上げられた財宝の山・・・・。

「はぁ。まただよ。また大王の悪いクセが出始めた。」

事の成り行きを見ていた花月は、小さくため息をついた。すると、彼の傍らに控えていた男が、彼に肩に軽く手を乗せると、慰めるように言った。

「もう、オレにもお前にも関係のないことだ。他人事だと思って見ていればいい。」
「十兵衛・・・・。」

花月は、自分の内心を汲み取った男―筧十兵衛の顔を、そっと見つめた。そして、少しだけ、微笑を浮かべた。

「・・・・そうだね。」

花月の返答に対応するようにして、大王は、すっかり目の色を変えた蛮に、再度問い掛けた。

「さあ、どうですか、美堂くん。」
「おっ・・・・俺は・・・・!」




さあ、どうなる番ちゃん!次回、救世主は現れるの、か・・・?

拍手[0回]

カレンダー
03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
慧仲茜
HP:
性別:
非公開
趣味:
読書、音楽を聴いたり演奏したり・・・
バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
忍者ブログ [PR]