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トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
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・・・・そこに大王はいた。

(・・・・なんか、展開が読めてきたぞ。)

蛮は密かに思う。

「あなたですか。あなたがあの、無敵の男、邪眼の美堂蛮。」

大王赤屍蔵人は、現在蛮のいる地上から、おそらく3メートルはありそうな高いところに取り付けられた立派な椅子に座り、そこから蛮を見下ろしていた。
その顔には、面白い見世物でも見るような表情が浮かんでいる。

「実は私は、最近退屈していましてね。相手を、待っていたところなのですよ。どうですか、美堂くん。ちょっと、お手合わせしてもらえませんか。」

キレ長の細い目を向けられ、蛮は、返事に困った。

(・・・・やつの殺気はナミじゃねえ・・・・。きっとやつも、オレの知ってる赤屍蔵人と同等の力の持ち主だ!)

彼が考えあぐねていると、大王は畳み掛けるように言った。

「おや?何か不満でもありますか?あなたの望みなら、何でも叶えてあげますよ。何がお望みですか?料理ですか?女性ですか?それとも、富ですか?」

とたんに、蛮の前には、大王の言ったものが全て現れた。
一流シェフのフルコース、妖艶な美女たち、そして、うずたかく積み上げられた財宝の山・・・・。

「はぁ。まただよ。また大王の悪いクセが出始めた。」

事の成り行きを見ていた花月は、小さくため息をついた。すると、彼の傍らに控えていた男が、彼に肩に軽く手を乗せると、慰めるように言った。

「もう、オレにもお前にも関係のないことだ。他人事だと思って見ていればいい。」
「十兵衛・・・・。」

花月は、自分の内心を汲み取った男―筧十兵衛の顔を、そっと見つめた。そして、少しだけ、微笑を浮かべた。

「・・・・そうだね。」

花月の返答に対応するようにして、大王は、すっかり目の色を変えた蛮に、再度問い掛けた。

「さあ、どうですか、美堂くん。」
「おっ・・・・俺は・・・・!」




さあ、どうなる番ちゃん!次回、救世主は現れるの、か・・・?

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