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トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
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今更すぎですが。

50000hitおめでとうございます!
どんどんぱふぱふ~☆

ということで、
私の方も、ささやかながらいつもと違うものを準備してみました。
内容は、読んでのお楽しみ・・・





明らかに、そこはカップルの逢瀬の場だというのに、
場違いな格好で飛び込んだ二人は、全くそれを気にしている様子もなかった。
片方は、高校生くらいの青年。こちらはやたらと機嫌がよく、鼻歌など歌っている。
一方で、向かいに座っているのは小学生くらいの少年。うって変わって、不機嫌な様子で、青年を睨んでいる。
そして、その少年が、ようやっと沈黙を解いた瞬間の第一声は、

「おい、いきなり呼び出してどういうつもりだよ。」
「まあまあ、いいじゃねえか。たまにはこういうのもさ。」

小学生くらいの少年―江戸川コナンの第一声を、黒羽快斗は笑って受け流した。
よくねえよ、とコナンは即座に返す。

「大体お前さ、呼び出すならもっとマシな場所を選べなかったのかよ。ここはどう見ても、そこいらの軽食店じゃねえだろうが。明らかにここはカップル向けのー」
「あ、スイマセン、そこのお姉さ~ん!」

しかし、快斗は、小学生の少年のありがたいお説教など全く聞いてはいなかった。
帰りかけていた店員を、彼はおもむろに片手を振って呼び止める。しかもその声の大きさといったら遠慮を知らない。周囲の注目をおもむろに集めてしまい、コナンは「ここから逃げてぇ・・・」と思わず呟く。

「はい」

ゼロ円のスマイルを浮かべてやってきた店員に、快斗はニッカリ笑って言った。

「すいません。こいつが、どうしてもここの店のカップルパフェを食べたいって言うもんで・・・。」
「なッ!」

突拍子もない言葉に、コナンは目を剥いた。しかし、反撃する暇もなく、彼は快斗に頭を掴まれて、おまけに店員と顔を引き合わされる。

「まあっ!」

店員の顔が、ぱあっと明るくなった。
おそらく、彼女の目には今、世間知らずのかわいい弟と、その弟の我が侭に付き合うけなげな兄の構図が浮かび上がったことだろう。
彼女は、背の低いコナンのために中腰の姿勢をとると、

「弟思いのお兄さんでよかったわね、ボク。でもね、ここはキミが来るには少し早かったんじゃないかしら。今度はかわいらしい彼女でも連れていらっしゃい♪」

ふふっ、と含みたっぷりに笑ったその笑顔に、思わずコナンの顔が赤くなった。しかし、それも一瞬のこと。すぐに快斗にノセられたことに気づき、彼はぷいと店員から目を逸らす。

「・・・それじゃあ、カップルパフェがおひとつですね。」
「ああ、あと、アイスコーヒーとオレンジジュースをひとつずつ。」
「はい、かしこまりました。」

コナンに拒否された店員は、注文内容を復唱すると、二人の顔を軽く見返して、店の奥へと消えて行った。



2へつづく・・

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―この先に洞窟があります。そこを抜ければ、川を渡らずとも地上へ戻ることが出来ますよ・・・

「ねえ、蛮ちゃん、ここだよね?赤屍さんの言ってた洞窟ってのは?」

二人は今、まさに、大王の言っていたとおりの大きな洞窟の前に立っていた。

「ああ・・・・。どうやら、そうらしいな。」

蛮は、素っ気なく返事した。

「じゃ、ここに入ればいいんだよねっ!」

言うが否や。
銀次は、さっそく洞窟の暗がりに足を突っ込み―

・・・・っと。
「待った。」

どこからともなく、そんな声がした。ビクっとして、銀次は足を引っ込めた。

「・・・・だっ誰っ!?」

二人は、険しい表情で辺りを見回した。
するとどうだろう、よく見れば、洞窟の入り口近くに、一人の男が立っているのが見えた。
男は黒っぽい服を着、洞窟の壁にもたれかかりながら、目を伏せていた。

「てめぇ・・・・まさか、サル回しか?」

蛮は、警戒心を強めながら男に問い掛けた。


・・・新章突入!
このあたりなんかは、明らかなアノパロディですね。


ところで皆様。
今季号のかつくら(活字倶楽部)はもうご覧になりましたでしょうか?
『「ヴァンパイア」カタログ!』という特集記事が組まれていて、トリブラのことも、わりと取り上げておりましたよ♪
おおっ!わりと持ち上げてるじゃんっ!ってカンジで☆
まだだ!という皆様。
どうぞ一読あれ☆

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まあ、今回はキリもよく。
ホラーなんか語っちゃったりして;


          『夜市』恒川光太郎

こういう本って、どうもジャケ買い・・・・もとい、表紙読み?してしまうタイプらしく。
暗い水槽の中で泳ぐ金魚が、表題作をとてもよく表していると思います。そう、そういう夜市です。

主人公、いずみの彼は、幼いころ、弟と一緒に「夜市」に迷い込む。
そこでは、人ならざるものたちが、常識では考えられないようなものを売っている。
偶然迷いこんだだけの二人・・・・しかし、ここでは何かを買わなければ市から出られない(悪徳商法だ。イヤ、そういうことじゃなくって(笑)
そこで、彼は人買い男に囁かれる。二人とも、永遠にここで彷徨うより、弟を売って自分だけでもこの夜市を出たらどうだ?
男の誘いに乗って、彼は、弟を人買いに売り、代わりに「野球選手の才能」を買って夜市から抜け出す。
現実世界では、弟ははじめから存在していないことになっている。彼一人が、罪悪感にさいなまれたまま、不甲斐ない日々を送る・・・

そして、大学生となった彼の前に、再び夜市が出現する。
以前と何も変わらぬ、妖たちの奇妙な市・・・
彼は、ある決意を胸に、いずみをつれて、夜市に乗り込む―!

っと、今回は、真面目に内容解説してみました。大丈夫。そんなネタバレはしてない・・・ハズ。。。

人買いとの会話なんかも、ものすごい雰囲気出てます。まさに、夜を駆ける怪しい市!

また、短編なので、もう一つ別のお話も。こちらは、「風の古道」というタイトルで、日本中に根を広げる怪しげな別時空の道?に迷い込んだ青年の話。
そこで、友人が死んでしまい、彼は連れの男に導かれながら、友人を生き返らせえるため、古道の旅人となる・・・

普段はホラーなんて読まないんですけど。
この話は、両方ともおもしろかった☆まあ、いうなれば、こわいファンタジーですね(一緒じゃんっ
ホラーな雰囲気は、痛いほど出ていますが(え。
あと、日本の古風なかんじも。
でも、なかなか予想できない最後でした。はっとするものがあるかも。


☆PS★
先日、トリブラ関係で2サイト登録させていただきました。
ともにランキング形式のものなので、心優しい皆様、よ、よろしく・・・おねがいでございまふ・・・
しかし、トリブラももうそろそろ下火どころか、廃れてしまったのでしょうか・・・
なかなか、サーチサイトが見つかりません;
もしご存知の方いらっしゃいましたら、ゼヒご一報いただけると嬉しいです。

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「・・・・十兵衛?」

花月は、訝しげに振り返った。
彼の傍らの立つ男が、寡黙なまま、駆け出そうとしていた花月の肩をしっかり掴んでいた。

「お前にはもう、関係のないことだ。放っておけ。」

十兵衛は、どこか威圧感の感じられる声で、そういった。
彼の言葉は、あくまでそっけない。
しかし、命令口調にも似たその言動に、さりげない彼の優しさが含まれているのを、花月は決して見落とさなかった。

花月は、静かに頷くと、口をつぐんだ。
再び前を向けば、何も知らぬまま、無邪気に喜ぶ銀次の姿が見えた。
嬉しそうな彼らの姿が、過去の映像とダブる。

―「やったな、花月!これでお前はもとの世界へ戻れるぞ!」
―「うん、そうだね、十兵衛。」

(・・・・同じだ。)

過去の彼らがそうであったように、
あの二人もまた、同じ運命を辿るのであろうか?

「・・・・そうだね。十兵衛。」

呟く花月の声に反応したのか。
蛮は、片手を銀次に引っ張っていかれながら、ふと後ろを振り返った。

「もう~蛮ちゃんってば、ちゃんと歩いてよう。」

足を止めた彼に対し、背中の方で、銀次の不満そうな声がする。
しかし、次の瞬間、そんな銀次の声も、彼には届かなくなってしまった。

「―っ!」

蛮の体が、一瞬にして凍りついた。
彼の視線の先、そこには、
獲物を逃がさんとじっと彼らを見つめる、凶悪な大王の瞳があった・・・・

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不意に銀次の後ろから、大王が顔を覗かせた。

「うわあぁっ!ええっと、はいっ、そうですっ!!」

銀次は心臓が飛び出しそうなショックで飛びのきながら、そう叫んだ。

(そうだった・・・・この人がいるのをすっかり忘れてた!!)

「でしたら・・・・そうですね、返してあげないこともないですね。」
「えっ!!!」
「「えっ!?」」

銀次は単純に喜びの声を上げたが、周りのもの ―特に、蛮と花月のどよめきは凄かった。
しかし、それを無視して大王は言った。

「いいでしょう。二人とも帰ってください、地上へ。もともと、私がわがままであなたをおひきとめしたのです、邪眼の、美堂蛮を。しかし、こうまでも熱烈にあなたを慕うものがいるとなれば、ここにあなたを留めておくのもむごい話だ。ですから、さあ、お戻りください、あなたたちの住むべき場所へ。」
「えっ!えっ!?・・・・ってコトは、オレたちまた戻っていいってことなんだよねっ!?ゲットバッカーズを続けられるってコトなんだよねっ!?蛮ちゃん!!」
「あ、・・・・ああ・・・・?」
「よーしっ!帰ろうっ蛮ちゃん!」
「おい、ちょっと待て銀次!」

しかし、胡散臭げに大王を見つめる蛮の手を引いて、嬉しそうに歩き出した。

「さよーならぁー、赤屍さーん、お元気でーっ!」

そして、出来ればもう二度と会いたくないです、と心の中で付け加えて、銀次は大王に手を振った。大王は、それに実ににこやかな笑顔をもって返す。

「あっ、銀次さん、待っ・・・・!」

その瞬間、何かを告げようとした花月が、銀次たちに向かって駆け出した

―否。

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