トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
だが。
「それに、ここはバーチャルなどといったものではありません。れっきとした、天国の入り口です。」
「じゃあ、何か。お前は、俺が天国に行く道案内に来てくれたってワケか?」
「道案内はいたしません。僕はあくまで、天使の審判官ですから。」
「・・・」
あまりにも食い違い過ぎる会話に、蛮はあきれて閉口した。
おそらくは、マクベスあたりがつくったバーチャルに違いない。
しかし、だからといって、自分そっくりの天使(自称)をつくったり、そいつに審判(自称)まがいの行為をさせるというのも、一体どういう彼の嗜好でそうなったのか、蛮にはほとほと理解しかねた。
(しかも天使のって何だよ、天使のって。フツー自分で言うか?)
「おまえさ、ちいったぁ人の話を聞け―」
しかし、蛮のツッコミなどさらりと無視して、少年はマイペースに続けた。
「では、あなたは天国に行くに相応しい人間だと思いますか?」
(何だよコイツ。)
少年のシカトぶりに、さすがにカチンもときたらしかった。
目を吊り上げて少年を睨むが、むろん、少年は眉一つ動かさない。出会ったときから何一つ変わらぬ、虚ろな瞳のままで、相変わらず蛮をじっと見つめている。
目を吊り上げて少年を睨むが、むろん、少年は眉一つ動かさない。出会ったときから何一つ変わらぬ、虚ろな瞳のままで、相変わらず蛮をじっと見つめている。
そこには、何の恐れも戸惑いもない。ただ、感情に乏しいだけだ。
蛮は、そんな少年への更なるあてつけのつもりで、飄々と言った。
「おー、思う思う。思うに決まってんだろ、そんなこともわかんねえのかお前はよ。」
「では、証人を呼びましょうか。」
少年は、傍らに手をかざした。すると、今まで何もなかった空間に、少年の身の丈をゆうに越す虚像が浮かび上がってきた。
・・・・それは、蛮のよく知る人物だった。
PR
このような最果てまでお越しいただきまして、ありがとうございます!
ここは、当ブログの最古記事に当たるのですが、
実は、この文章を書いている今日は、20・・年だったりします(爆)
このブログにupされている初期の記事は、
もともと、私がお世話になっている「鏡幻屋」というサイトの掲示板にて、
定期的に連載していた記事を移植したものです。
掲示板の閉鎖にあたり、
店主である友星ちゃんのご厚意により、このようなブログを立ち上げていただきましたvv
(友星ちゃん、いろいろありがと~っ!!)
ブログ移植後は、
私、慧仲のよしなし事を書きつくる場として、
いろいろupさせていただいております。
初期のモノのを改めてみてみると、
いろいろと恥ずかしさを感じてしまうのですが
よかったら、温かい目で見てやってください。
と、いうわけで、
掲示板時代に連載していた、GB(ゲットバッカーズ)を置いときます。
タイトルは、「夢幻の華」。
天国と地獄に落とされてしまった(?)蛮ちゃんのお話です。
一回の掲載が極端に少なかったり、最後に脈絡のない呟きが入ってたりする(え)のは、
もともとが掲示板の連載のためです;
では、よろしければ、以下にて。
*********************
「・・・・ここは、天国か?地獄か?」
ここは、当ブログの最古記事に当たるのですが、
実は、この文章を書いている今日は、20・・年だったりします(爆)
このブログにupされている初期の記事は、
もともと、私がお世話になっている「鏡幻屋」というサイトの掲示板にて、
定期的に連載していた記事を移植したものです。
掲示板の閉鎖にあたり、
店主である友星ちゃんのご厚意により、このようなブログを立ち上げていただきましたvv
(友星ちゃん、いろいろありがと~っ!!)
ブログ移植後は、
私、慧仲のよしなし事を書きつくる場として、
いろいろupさせていただいております。
初期のモノのを改めてみてみると、
いろいろと恥ずかしさを感じてしまうのですが
よかったら、温かい目で見てやってください。
と、いうわけで、
掲示板時代に連載していた、GB(ゲットバッカーズ)を置いときます。
タイトルは、「夢幻の華」。
天国と地獄に落とされてしまった(?)蛮ちゃんのお話です。
一回の掲載が極端に少なかったり、最後に脈絡のない呟きが入ってたりする(え)のは、
もともとが掲示板の連載のためです;
では、よろしければ、以下にて。
*********************
「・・・・ここは、天国か?地獄か?」
覚醒した瞬間の蛮の第一声は、それだった。
というのも、目覚めた瞬間に見た風景が、まさにそんなものにしか思えなかったからだ。
目の前、一面真っ白。
これが一般にお約束で言うところの天国ではないと言うのなら、なんと呼べばいいのか?
(どういうことだ!?俺は、悪夢でも見てるってのか!?)
しかし、彼こそが邪眼の男、美堂蛮。自分で自分に望んで邪眼をかけた覚えなんて、ない。
絶対に、ない。
だとすると、これは・・・・
「あなたは天国に行くことを望みますか?それとも、地獄に落ちますか?」
「―ッ!うわっ。」
いきなり目の前に現れた少年に、蛮は不覚ながらものけぞってしまった。
(ほんとにコイツ、今の今まで気配すらなかった・・・・どういうことだ!?)
しかし、少年の顔を見上げた瞬間、蛮は大声を上げた。
「って!お前は、マクベスじゃねえか!さては、てめえ、まーたバーチャルとか持ち出して、この俺をハメようってんだな!?」
しかし、蛮の発言など全く無視して、少年は再度同じ問いを口にした。
「あなたは天国に行くことを望みますか?それとも、地獄に落ちますか?」
「だーかーらっ!無視すんなっつってんだよ、聞いてんのか人の話を。」
「あなたこそ、さっきから何を勝手に独り言ばかり。権威ある天使の審判者を愚弄する気ですか?」
「な、なんだって?」
「ですから、さっさと僕の問いに答えなさい。」
コイツ、よりによってこの俺に命令かよ。
「あーあー、答えてほしいなら答えてやるよ、誰も、地獄になんて落ちたいわけねえだろ。」
「では、あなたは、天国へ行くことを望むのですね?」
「そうに決まってんだろ、マクベス。ちぃっ、こんなふざけたモンつくりやがって。一体何のつもりか知らねえが、また俺をハメようったってそうはいかねえぜ。」
「僕はマクベスではありません。天使の審判者です。」
さらりと少年は否定した。
確かに、少年の背中には白い羽が生えていたし、身にまとう純白の衣装も、いかにもソレっぽかった。