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トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
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ジョーカーゲーム 柳広司 角川書店

このミス2位に、本屋大賞3位。そして吉川英治賞受賞…何かと話題に尽きないこの本。

とにかく、カッコイイ!の一言に尽きます。

日本軍に新たに創設されたスパイ養成機関(!)、通称“D機関”出身のメンバーが繰り広げるスパイ活動(!)を描いた連作ミステリー
集。
任務のためなら、チェス好きの好青年も、イギリスの写真館の甥っ子にも、完璧になりきってくれます。
そう、こんな感じで…

「やれるか」
「(上司のあなたができるというなら)やるんでしょう?」
「3日でコピーしろ」
「2日でやりますよ」

…なんて。
カッコイイじゃないですかvvスカした感じで。
ここのスパイのみなさんは、みんなこんな感じなんです。
と、いうことは、“D機関”に行けば、跡部みたいなやつがたくさん…(←違。)
いや、どっちかというとセバスチャンかな(←更に違。)
という私の勝手な妄想はともかくとして。
(ちなみに、知人に「セバスチャンみたいなキャラがいるよ」と薦めたところ、本当に読んでくれて、セバスチャンだと言ってくれました
☆布教成功(笑))

ただ、一つ残念なのは、スパイという“見えない存在”を演じるため、スパイたちのキャラクターというか、個々人の個性が、ほとんど描
かれないということ。
性格、趣味はおろか、経歴も本名も一切不明。
(ただ、5話目の“XX(ダブルクロス)”だけは、例外的ですが)
しかし、それは決して「キャラクターがたってない」ということではなくて、全体で一つの「スパイという人格」を作っているようにも感
じられます。
そして、この「スパイ」というキャラクターは、私にとってとても魅力的でした。

“大戦前夜”の日本、しかも軍部が舞台、などというと、私などは、何やら暗~い陰湿なイメージを抱いてしまいますが、この話は、そん
な軍部とはむしろ対極を成しています。
なので、決して派手ではないかもしれないけれど、暗い雰囲気では全くありません☆
言うなれば、クール。
どんな状況も、冷静に対応してくれる、スリルと同時に一種の安定感がありました。
また、あのご時世に、養成機関の寄宿舎内で堂々と「天皇機関説」について討論したり、
それを上司でシブいオジサマの結城中佐が「多いに結構。続けてくれたまえ」と認めたり、という面もあったり。
ほんとに、どこまでも(いい意味で)異質というか…

ちなみに、表題の「ジョーカーゲーム」とは、養成機関内で流行っていたという、ポーカーの亜種。
何でも、ポーカーを普通にやるのではなく、やりながら隣の人の札を盗み見て、それを他のプレイヤーにこっそり合図で教えるのだとか。

ただし、伝えられるのが真実とは限らない。
各人は、相手の出方と情報の真偽を常に考慮しながら、ゲームを進めなければならない。
これを発展させると国際政治になるとか、ならないとか…

いや、そんなに勉強熱心じゃなくてもいい、と思ったりもしますけどね(笑)

最高にスリリングな「黒い腹の探り合い」(苦笑)ぜひ、一話目から体感してください

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皆様、ハッピーハロウィンです!
いよいよ始まりました、ハロウィン企画、お楽しみいただいてますでしょうか?
今回は、どうやら店主ちゃん♪が、かなりがんばってくれた模様ですよっ。
私もいくつかネタを提供させていただきましたが、まあ、拙いながらも、普段は書かないものに手を出したりなど。
何を書いたのかは、皆様の目で確認してくださいませ☆

かく言う私も、皆様同様、自力で宝物のページを見つけてます。なかなか楽しかったですヨ。

さて今日は、お知らせがてら、本の紹介を少し(?)
いつもとはスタイルを変えて、最近読んだ本を、何冊か手短に紹介したいと思います。

『エノーラ・ホームズの事件簿』シリーズ ナンシー・スプリンガー 講談社ルルル文庫

なんと、シャーロック・ホームズの妹である、エノーラを主人公にしたミステリーです。
ルルルといえば、昨年(だったかな?)創刊された女性向けライト・ノベルのレーベルらしいですが、個人的にここのうれしいところは、なんと言っても、ラノベで海外翻訳が読めるということでして。
中でも、このシリーズは発売当初からずっと目を引いていました。だって、ホームズの妹ですよ!設定がすごい。
内容は、思った以上に暗号が本格的で、難しい・・・
あと、わりと当時の社会的状況なんかがリアルで、ほぉ~っという感じ。
もともと、著者の方は本格派ミステリーをお書きになる方っぽくて、読みやすいけど、そんな印象は受けました。
現在2巻まで刊行中。まだまだ解決されていないなぞがあるので今後が楽しみです。

『アネットと秘密の指輪 お嬢様のおおせのままに』雨木恵 角川ビーンズ文庫

産業革命時代頃を思わすイギリスで、貧しい労働者の娘に生まれたアネット・ハーレイは、母を失った直後、超名門の貴族の屋敷に引き取られることに。
実は彼女は、貴族令嬢だったのです。
その証である指輪に導かれ、屋敷の女主になった彼女は・・・
っというのは、ごく一般的な設定かもしれませんが、この物語の最大の魅力はおそらく、かわいい執事くんと、口生意気な若手弁護士という二人の男性の存在でしょう。
設定は違いますが、魅力的な男性ぞろいという意味では、アニメ化中の次の本と似てるかもしれません。

『伯爵と妖精』シリーズ 谷瑞恵 コバルト文庫

これについては、もう言わずもがなな気がしますが。妖精博士のリディアは、怪しげな過去を持った美形伯爵エドガーと結局恋に落ちてゆくという・・・(そんなに簡単にまとめると、怒られそうな気がしますが。)
もともとコバルト文庫は贔屓にしていたので、アニメ化以前からずっと狙っていたんですが。
・・・何を?もちろん、エドガーを諏訪部さんで、ですよ!(笑)
もしくは、ケルピーでもいいですけど。
でも、両方あえなく私の野望は潰えました。よりによって緑川さんに子安さんかあ~。諏訪部さんとはかなり方向性が違うじゃないですか。。。
でも、アニメ見て、確かに緑川さんくらいでいいかもしれない、と思い始めてます。だって、諏訪部さんじゃ、リディアに容赦なさそう・・・ただでさえ、アニメ映像は赤面するようなシーンが多いというのに。
これを機に、今度は同じコバルトでコラフェリやらないかなぁ~なんて思っているんですが、無理だろうな~
そもそも、コラフェリシリーズが存続しているかすら危ういのに。
シーさんの番外編がまだ読みたいです!大家のレーモンの謎がまだ解けてないと思うんですけど・・・あれは謎とかじゃないのか。

あうっ。すっかり話題がズレてしまいました。すみません。
とりあいず、今回の本紹介はこんなもんで。
それでは、皆様、引き続きハロウィン企画、お楽しみくださいませvv

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って、ウワサになったのはいつことやねんっ!って話なんですけどね;
本屋さん大賞も受賞したベストセラー作品、伊坂幸太郎さんの『ゴールデンスランバー』、完読しました。おもしろかった~
いや、最初はなかなかエンジンかけるの難しかったですけどね。いやいや、最初の50ページくらい過ぎれば後は何のそのですよ。後はすぐです。ちゃっちゃと読めちゃいます
・・・・ってわけでもなかったかもしれませんけどね(え)

まあ、とりあいず内容を軽く説明してみますと、首相暗殺の濡れ衣をかけられた主人公、青柳雅春が、警察の手からひたすら逃げるお話です。
まあ、いわゆる「逃走劇」ってやつですよ。

ただ、一般的な「逃走劇」と違うのは(これは、伊坂さん自身も「ダヴィンチ」のインタビューでおっしゃってましたが)、黒幕が最後まではっきりとは明かされないままだということ。
ふつう、「逃走劇」というと、背後に大きな組織がいて、実はそこのボスが社会的にもわりと有名な人で、そいつが誰なのか?というのがラストになって明かされる。そいつを暴くことによって、主人公も濡れ衣であったことが証明できて、はい!めでたしめでたしっ!って感じですよね?
そうじゃないんです。
たしかに、主人公をハメたやつってのは、大きな組織に違いないんですが、それがどんな組織なのかはわからないまま。主人公も、むやみに詮索しようとはしません。
なので、この本の主題は、「逃げること」そのものなのです!

・・・なんか、ものすごい「消極的」な話に思えてきたんじゃありませんか?
っていうか、主人公なんだから、真面目に敵と対峙しろよ(笑)なんてツッコミもあるかもしれませんが。

いや、そうじゃないんですよ・・・
そういうのが、メインじゃないんです、この話。なので、そういうことを期待された方には悪しからず・・・

まず、びっくりしたのは、主人公が「逃走劇」にありがちな、極端に「孤独」な状態にないこと。
濡れ衣自体は、ものすごく理不尽なことですけど、主人公の知人たちは、みんな彼の無実を信じてます。その信用具合が何というのが、なんとも楽観的に感じてしまうほどで・・・
別に、躍起になって彼の無実を明かそう!ってほどではないですが、ちょっとした手伝いが出来るなら、やってやろうじゃないか、それで逃げられなかったら、君の責任だよ、って感じで。
何とも現代ちっくじゃないですか?
そのあたりが、何だかすごくシュールに感じました。

あと、もう一つびっくりしたのが、読んでいると、いわゆる「犯罪者」や「浮浪青年」といった、社会のアウトロー系の人々の方が、一般市民よりも妙に「いい人」に見えてしまうこと(←問題?
例えば、逃亡中の主人公に対して、(偏見だという非難を怖れずに言いますと)道端でタムロしているような、それを警官に見つかって乱闘騒ぎを起こしそうな若者たちが、主人公に「おっさん、がんばれよ!」って言うんですよ。
「そういう面倒ごとは何でも俺らみたいな人間のせいにされちまうもんな。大変だよな、おっさんも」って感じなんです。
もーこれを読んだときには、彼らがなんとおおらかな存在に見えたことか(笑)

ちなみに私は、「キルオ」が好きになりましたvv連続殺人犯だけどっvv

伊坂さんの作品には、こういう社会的な皮肉みたいなものがよくあるな~と思っておりまして、私自身、気に入ってたりします。

と、いうわけで、話題に載せられて買ってみたものの、いまだに最初の方で挫折している方!(だってむっちゃ長いですもんね・・・・・・)
これを期にもう一度挑戦してみてはいかがでしょうか?
(この中途半端な上に自分勝手な紹介で、どう目覚めるんだってカンジですが(オイ。。。

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っというわけで前回の続き★☆
この方が見やすいかな・・・と思い、レスにくっつけてみました。
(自分で自分のスレッドにレスたてるって、ちょっと悲しい気もしますが;;

まずは、改めてちゃんと内容紹介してみましょうか。

え~っと、これは、幼いころに父親によって母を殺され、父親に復讐を決めたファルネーゼ家のお嬢様、エレオノーラの物語。
彼女は、深窓のご令嬢を演じながら、復讐のための莫大な資金を手に入れ、金の力でとても良家のご令嬢とは思えない大胆な行動に出てゆきます。
こうした彼女の復習劇は、ファルネーゼ家のみならず、宇宙全体を巻き込んだ壮大な戦争へと発展していくわけです。

って、簡単に言ってますけど、全然簡単な話じゃないですが;

彼女にホレてしまったボスポラス(オルヴィエートの敵国!)のスパイ、コンラッドは、復讐に燃え、次第に冷酷になってゆくエレオノーラをたしなめる存在。
彼の言葉は、ことごとくエレオノーラの胸に突き刺さり、時には復讐への疑念でさえも生みます。
また、彼女のファルネーゼという家名を狙う“毒蛇”ことファブリツィオ・ラ・ガーラや、脅威のカリスマ支配者、ボスポラス帝国のケマル・エウヂミク、反ボスポラス組織のトップでもある謎の革命家アドリアナ・セルベッチアなど、本当に様々な人物の「野望」が渦巻きます。まさに、「野望」が「円舞」するかのような作品!

そして、エレオノーラの母親にもなにやら秘密が・・・?

また、彼女は地位を手に入れるにつれ、次第に別の「何か」を失ってゆきます。7巻ではついに、あの人までもが・・・!

っと、そこは読んで確認していただくとして。

はっきり言って土6イケると思います、この作品。それくらい、スケールも話の練り具合もスゴイ。
まあ、設定がやたら複雑なんで、最初は慣れるまで苦労しますが・・・
おそらく、
主人公エレオノーラの家、ファルネーゼ家が取り仕切るオルヴィエートは中世イタリア的な雰囲気。
宙峡は地中海といった海のイメージ。
そして1巻でオルヴィエートに侵攻してきたボスポラスはオスマントルコと理解すれば、まあまあ分かりやすいですかね(いや、余計分かりにくいって;
実際、名前のつけ方には、そのような雰囲気があるのではないかと。

ちなみに、その際にはジェラルドはゼヒ諏訪部さんでvvそしてアルフォンソには置鮎さんを!
・・・何を狙ってるのか、大概想像がつきますよね、コレ↑・・・

さて、なぜエレオノーラは自分に唯一優しくしてきてくれた兄、ジェラルドに銃を向けなければならなくなったのか?そして、ジェラルドはこのまま殺されてしまうのか!?
どうか、7巻まで読んで確認してください。
しかし、くれぐれも言いますが、いきなり7巻を読んでも分からないかとは思いますので、あしからず;

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野望円舞曲  田中芳樹&荻野目悠樹 デュアル文庫


・・・私的には、何故に今更・・・ってツッコミが入るわけなんですが。
ええ。何せ、初めて読んだのは第6巻が出た3年?前。この春、なにをきっかけにしてか、「そういえば、あの話、最近7巻が出たんだっけか?」
※注)7巻が出たのは、去年のことです。
と思い、読んでみると・・・

ジェラルドむっちゃかっこいいやん・・・

※注)ジェラルドとは、父親に復讐を誓った主人公エレオノーラの三番目の兄で、家族の中で唯一彼女を気にかけてくれる人物。軍師の才能に長け、無敗の司令官として名を轟かせている(7巻の時点)ものの、本人には才能に見合うだけの大きな野心というものがなく(by忠実なる部下アルフォンソ)、ひたすら女性と過ごすことに従事する日々・・・

何で今まで気づかなかったんだろう。
今までは、どっちかというと、ジェラルドに振り回されてばかりの生真面目な部下、アルフォンソとか、ジェラルドに秘かなる敵意を抱き、彼を殺そうと画策する若き保険会社のエリート、フランチェスコが好きでした。
どうやら、わりと真面目キャラが気に入ってたらしい。
でも、7巻でジェラルドのあるセリフを読んで、ジェラルドの見方が大いに変わりました。

それがコチラ↓↓


〔エレオノーラの侍女にして彼女の数少ない理解者、ベアトリーチェは、背を向けて部屋を出て行こうとしたジェラルドに向けるべく、銃を取り出した。もはや、彼を殺すことでしか、主人の破滅は防げぬものと確信しきっていた。彼は、無防備に背中を見せている。ここで彼を殺すのは簡単だ。だが、幼いころから主人や自分を気にかけてくれていた彼をこの手にかけねばならぬことに、彼女は少なからぬ違和感を感じている。すると、ジェラルドが背を向けたまま声をかけてきた。〕

「エレオノーラに忠義をつくすかい?」
「ジェラルド様・・・」
「妹にとって最悪の結末、それがきみにとってどれだけつらいかわかっているよ。私は君の妹も恨まない。どうせ生命はいつかは終わるものだからね。ただ痛いのは嫌だから、ひとおもいにたのむよ」


・・・そうか、アナタは単なる貴族のご令息じゃなかったのね(←今更。。。
っというか、妹の侍女がジェラルドに銃を向けるという深刻な状況になぜ陥ってしまったかも問題なわけなんですが。
まあ、それは頑張って7巻まで読んでいただければ分かりますのでvv
そう思って読み直してみると、アラ不思議。
ジェラルド様、全てがかっこよく思えてくるのは何故でしょうか。
女ったらしなのも、フランチェスコのばあちゃんのセリフ 

※注)「男は若いうちは羽目を外すことも大切。そういう男ほど、家庭に入れば、案外妻子を大切にするものだ。年がいってから遊びを覚えて、妻を泣かせたりするものもいる。」というもの。 

で相殺。
とはいえ、ジェラルドの魅力はやはりアルフォンソをはじめ、周囲の人間あってのものだと思います。
特に、アルフォンソの追求をのらりくらりとかわしていく様は読んでてホントに面白いですヨ。

・・・っと、ひたすら読んだ感想ばかりで、ここにいたるまで全く本書の紹介をしていないわけなんですが・・・(オイ

長くなりそうなので、今日はいったんここまでにしておきますvv

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