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秋から連載を続けてまいりました、
「委員会対抗サバイバル鬼ごっこ」
いよいよ、最終第8話「雑渡昆奈門の秘策の段」の後編をお送りします。よかったら。
今回は、いよいよ土井先生vs尊奈門氏そして、鬼ごっこの決着もつく、はずです
そして、この最終話掲載にあわせて、
日記のカテゴリに「忍たま」を追加しました。
この日記は、あくまでトリブラメインと銘を打っているので、
それ以外のジャンルを堂々と増やすのには、少し抵抗もあったのですが、
まぁ、これだけ集中して書いたし、その方が見やすいかなぁ・・・ということで。
それに、トリブラは日記とは別に、きちんとアップしていただいているし。
この「鬼ごっこ」編はこれで終了ですが、
せっかくなので、「もうちょっと忍たまを書きたいなぁ」という願望はあったりします。
特に、大好きな「6は組」をメインにした話なんぞを・・・
また、形になる見込みが立てば、
ここにアップしていきたいと思います。
それでは、最終話は以下にて。
それでは、前回の続きです↓↓
***************
「尊奈門さん遅いね」
「綾部先輩の掘った穴、仕掛けがあって脱出に時間かかってるのかな?」
乱太郎ときり丸が言い合っていると、当の仕掛け人がやってきた。
「言っとくけど、僕はその穴には、何の仕掛けもしてないよ」
「綾部喜八郎先輩!」
「いいかい、スパイクみたいなトラップは、斜面の下や丘の頂上など、人や馬が普通より強く踏み付けるところに仕掛けるんだ。だいたい、そんな底の浅い穴に見え透いた罠を仕掛けるなんて、馬鹿げてるよ」
「あ、ほんとだ。尊奈門さんが出てきた」
乱太郎の指差す先では、穴から脱出した尊奈門が、再び土井先生と対峙しようとしていた。
「待たせたな、土井半助。…いいだろう。その勝負、受けてたつッ!」
「おぉっ。さっきとはうって変わって、尊奈門さんがやる気になった!」
尊奈門の真剣な顔を見て、土井先生も頷いた。
「じゃあ仙蔵、頼む」
「えぇ。では、火を点けますよ」
言葉とともに、仙蔵が投げ焙烙に火をつけ、土井先生になげて寄越した。
「よし。じゃあ私からいくぞ。“忍者”」
「“社会”」
「“いかずち”」
すると、尊奈門が何を思ったのか、フッと笑った。
「“ちくわ”」
「…なにぃ?」
土井先生の顔に、少しだけ苦虫を潰したような表情がうかぶ。
「…“輪っか”」
「“かまぼこ”」
「“コツ”」
「“つみれ”」
「“列”」
「“つくね”」
尊奈門の作戦に気付いて、乱太郎、きり丸、しんベエは互いに顔を見合わせた。
「あれ?さっきから、尊奈門さん…」
「ねりものばっかりだ」
「これってもしかして…」
そして、とうとう尊奈門が極めつけの一言。
「“ねりもの”」
「の、の…」
(い、いかん、大嫌いなねりものが頭の中をぐるぐる回って、冷静な判断が、でき、ない…)
「あっ、危ない、土井先生ッ!」
「導火線が…っ!」
導火線がなくなり、とうとう焙烙に火が…っ!
ドゴォンッッ!
土井先生の手の中で、仙蔵特製の投げ焙烙が爆発した!
「くわぁぁぁッ!」
土井先生の叫び声が響く。そのまま、爆発の衝撃で、土井先生はどこかに飛ばされていってしまった。
「あ、土井先生が」
「飛んでいっちゃった」
「てことは」
「この勝負、尊奈門さんの勝利ーッ!」
どこからともなく、パンパカパーンッ!という音がして、忍たまたちが一斉に祝福の拍手を始めた。
「うわぁい、やったぁっ!ようやく、宿敵、土井半助を倒したぁ!」
尊奈門は、喜んで万歳を繰り返す。
「よかったですね、尊奈門さん」
「あぁ、ありがとう。これで、心残りなくタソガレドキ城に帰れる」
尊奈門が、乱太郎と手を取り合って喜びあっていると。
「気はすんだか、尊奈門」
不意に背後から声がして、振り返ると、タソガレドキ軍の忍び組頭雑渡昆奈門が立っていた。
「組頭!この度は、ご助言いただき、ありがとうございます」
「助言?何それ」
「またまたぁ~とぼけちゃって」
「まぁいい。城に戻るぞ」
「はい!」
尊奈門は、まるで褒めてくれと言わんばかりの表情で昆奈門のもとへ駆け寄った。こうして、二人の忍者は、仲良く走り去って行ったのだった。
「ところでお前、ここに来る時、入門票にサインしなかっただろう。代わりにしておいたぞ」
「すみません、組頭」
「帰りはちゃんと書くんだぞ」
「はい、組頭!」
などと、話しながら…。
「よかったね。これで、土井先生も狙われなくてすむし」
「うん」
乱太郎たちが、顔を見合わせていると。
ゴーンッ!
「あ、金楽寺の鐘の音だ」
「てことは、鬼ごっこも終了かー」
「なにッ!?もう鬼ごっこが終わりだとッ!?」
乱太郎たちの言葉に、会計委員長の文次郎が声を荒げた。
無理もない。なにしろ、当初から全ての委員会を捕まえると意気込んでいたわりに、終わってみれば3つもの委員会に逃げきられてしまったのだから。
「こんな終わり方は納得できん!会計委員会は、ゲームの延長を求めー」
「みんな、ご苦労じゃったな」
しかし、文次郎の叫びは、学園長の登場によって虚しく中断された。
「学園長先生!」
「ふぉっふぉっふぉっ。さて、委員会対抗のサバイバル鬼ごっこの結果じゃな。
勝者は、会計委員会に捕まらず逃げ延びた体育委員会、用具委員会、そして保険委員会の3つじゃ!」
「わ~い、やったぁ!」
3つの委員会から、喜びの声が上がった。
「やりましたね、七松先輩!」
「なぁに、これくらい、体育委員会の実力をもってすれば当然の結果さ」
体育委員長の小平太は、当然とばかりに胸を張ったが、まんざらでもないようだ。
その一方、保険委員は、未だ自分たちが勝ったという実感を持てず、互いの顔を見合わせた。
「勝っちゃった…」
「委員会最弱と言われる保険委員会が勝ち残るなんて…」
「すごいスリル…」
そして、用具委員長の留三郎は、ここぞとばかりに、自らの勝利を文次郎に自慢し始めた。
「聞いたか文次郎。用具委員会の勝利だ。全部の委員会が捕まえられなくて、残念だったなぁ」
仲の悪い留三郎に負けたとあって、文次郎の悔しさはいつも以上だ。しかも、それを留三郎の口から言われて頭にきた文次郎は、近くの木にガコンッ!と自分の頭をぶつけ始めた。
「くそぉーッ!くそくそくそッ!」
「あーあ。また潮江先輩が悔しがってる」
「途中から、土井先生を助けるので、鬼ごっこどころじゃなかったもんね」
乱太郎たちが呆れていると、文次郎は、急にはっとして叫んだ。
「そうだ。こうなったら、これから会計委員会の反省会だ。全員、10キロそろばん持って校内10周だッ!」
文次郎の突然の思い付きに、悲鳴を上げたのは会計委員たちだった。
「そ、そんなぁー」
「潮江せんぱ~い…」
今日もまた、委員会活動という名の鍛練は終わりそうにない、会計委員会だった。
***************
ここまでお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
ようやっと、これで「委員会対抗サバイバル鬼ごっこ編」完結になります
我ながら、なんて長いことかいちゃったんだろう・・・
と、反省をしつつ。
忍術学園のドタバタぶりが少しでも伝わっていたら・・・幸いです。