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引き続き、
第6話「ギャラリーが多すぎるの段」の後編
前回字数オーバーでアップできなかった残り分です
よかったらどうぞ
とはいえ、ここからよんでもまぁ、いけなくもないかも・・・?
それでは、前回の続き(第6話の残り)です↓↓
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一方その頃、倉庫では。
「はぁ、やっと着きましたね、久々知先輩」
「あぁ。途中で捕まっちゃったけど」
火薬委員会が、ようやく到着していた。
しかしー
「あれぇ?この扉、鍵が掛かってるみたいだよ」
4年の斉藤タカ丸が、おおよそ緊張感のないのんびりとした声で言う。
それを聞いて、兵助は頭を抱えた。
「しまった…鍵の存在をすっかり忘れてた。
えーっと、倉庫の管理は用具委員会の管轄…すると、鍵を持っているのは、用具委員長か…」
「急いで用具委員会を捜しましょう!」
池田三郎次が言ったその時。
「おーいっ!そんなところで何をしているんだ、火薬委員会っ!」
向こうから、手をふりながら数人の生徒が駆けてきた。
彼らは…
「生物委員長の竹谷八左ヱ門!」
そう。たまたまやってきたのは、生物委員会だった。
「生物委員こそ、鬼ごっこの途中だろ」
兵助がきくと、八左ヱ門はボサボサの頭を掻きながら言った。
「いやぁ…俺達、さっき捕まっちゃってさ。
そういうお前たちは、倉庫の前で何してるんだ?」
「実は、かくかくしかじかの」
「ふむふむうまうまというわけか」
二人のあまりの飲み込みのよさに、どこかから「文章って、便利ねー」という言葉がとぶ。
「なるほど、それは大変だ。早く用具委員会を捜さないと」
すると、生物委員の1年は組夢前三治郎と佐武虎若が、顔を見合わせて言った。
「用具委員会なら、さっき、会計委員会と体育委員会が戦ってる中庭にいましたよ。ね、虎若?」
「うん」
「えっ、三治郎、虎若。なんでそんなことがわかるんだ?」
と八左ヱ門がきくと、
「だって…あそこの木の陰に、よだれがポトポトおちてましたから」
「あれは多分、図書委員会の売ってるお菓子に、しんベエが反応したんだと思います」
そして、実際…
中庭のとある木の上では、用具委員会が、会計委員会と体育委員会の戦いの行方を静かに見守っている
…はずだったのだが。
「しんベエ!よだれをたらすな。文次郎に見つかったらどうするッ!」
緊張感を壊すしんベエの行動を、用具委員長の6年食満留三郎がたしなめていた。
しかし…
「え~だって、お菓子、おいしそうなんだもん。
もう我慢できません!僕、お菓子食べに行ってきますっ!」
勝手に木から降りようとするしんベエの肩を、慌てて留三郎は掴んだ。
「あぁこら待てしんベエッ!お菓子なんぞ食ってるバヤイか。今は鬼ごっこの最中なんだぞ」
「でも~あぁん、僕のお煎餅~」
留三郎は、苦笑いするしかない。
「あぁ、わかったから。鬼ごっこが終わったら、みんなでおしるこ食べに行こうな?」
「えっ、それほんとですか、食満先輩!」
キラリ。
留三郎の言葉に、しんベエの目が光る。
それに、留三郎は多少顔を引き攣らせながら頷いた。
「あっ、あぁ!本当だとも!だから、みんなで頑張って文次郎に勝とうなッ!」
「はい!」
真剣に頷くしんベエを見て、思わず3年の富松作兵衛はつぶやいた。
「何だかんだで、しんベエを丸め込んだ…さすがは食満先輩」
それを聞いた火薬委員たちは。
「なるほど~木陰にできた水たまりは、しんベエのヨダレ。めもめも」
「タカ丸さん…メモするところが随分違うと思うんですけど…」
タカ丸のいつものボケに、池田三郎次がツッコむ。
そんな二人を無視して、兵助は宣言した。
「よしっ。じゃあ中庭へ行くぞ!」
「「あ、はいっ」」
そして、その頃中庭では…
「戦いが激しくなってきましたね、食満先輩」
作兵衛が、深刻な面持ちで言った。
相変わらず、会計委員会と体育委員会の戦いが続き、それを見守る用具委員たちの表情も、険しくなっていたのだった…
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ここまでお付き合い頂きまして、本当にありがとうございました
いろんな委員会の入り乱れ、な第6話でした。
しかし・・・な、長いですね、やっぱり。
今度はやっぱりちゃんと前編と後編にしようかな・・・(汗