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トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
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長らく連載してまいりました、

委員会対抗のサバイバル鬼ごっこ

いよいよ、最終回となる第8話「雑渡昆奈門の秘策の段」をお送りします。よかったら。

今回は、「土井先生vs尊奈門氏」を中心としつつ、

忍術学園全員、そろい踏みな感じ?
でお送りできたらなぁ、と思っています。

・・・長いので、やっぱり前編と後編を分けてます。
とりあえず、今回は前半、と言うことで・・・・



では、早速、
【雑渡昆奈門の秘策の段】をどうぞ(←けっこうタイトル気に入ってたりする。





それでは、前回の続きです↓↓


***************


【雑渡昆奈門の秘策の段】


「さあどうした、土井半助。早くかかって来いッ!」
 土井先生と尊奈門の戦いは、未だ続いていた。

(全く、派手に暴れたなぁもう。今は生徒たちも鬼ごっこの最中であちこち動き回っているというのに)
自分たちが戦った辺りを見回して、土井先生は苦い表情を作る。
こんなとき、特に、うっかり一年は組の生徒にでも出くわすと大変だ。彼らは、一人に出会ったが最後、いつの 間にか集まって来てしまうというのが、忍たま乱太郎のお約束なのだ。
ここは、早いうちに場所を変えるか?と、土井先生が思案していると。

「ならばこちらから行くぞ。土井半助、覚悟!」
尊奈門が攻めてきた。どうする土井先生!
と、その時。


どどどどどどッ!


ものすごい勢いで、大量の忍たまたちが流れこんできた。

「土井先生~!」

「お、お前たち。どうしたんだ、そんな大勢で!鬼ごっこはどうした」
驚いて土井先生が問い掛けると、は組のよい子たちが、一斉にしゃべり始める。

   「そんなことより、土井先生、大丈夫ですか?」
  「タソガレドキの忍者に襲われたって聞きましたけど」
  「鬼ごっこなら、まだ続いてます」
  「ナメクジさんなら、元気でーす」
  「先生、お腹が空きました」
しかし、残念ながら、全員が同時にしゃべったため、誰が何と言ったのか、判別することが出来ない。
傍らで見ていた5年の竹谷八左エ門が、呆れて言った。

お前たち、いっぺんにしゃべるなッ!土井先生が困っておられるだろう。質問は一つに絞れ」
すると。

「先生、お腹が空きました」

「なんでそれが1番なんだ」
全くである。
しかし、土井先生の方はというと、呆れつつも、大半の内容を掴んだようだった。

 

「あぁ、もういい。全員わかったから。
庄左エ門、兵太夫、私なら大丈夫だ。それから伊助、鬼ごっこが続いているなら、お前たちはそっちに集中しろ。それと喜三太、ナメクジが元気なのはいいが、鬼ごっこにはつれていくな。しんベエは、もうじき夕食だから、それまで我慢しろ」

「すごい…」

「あのごちゃごちゃしてわけのわからない1年ボーズの言葉を、一度ですべて理解するなんて…」
上級生たちは驚いたようだ。確かに、さすがは、1年は組の担任をやっているだけはある。

「わかったら、お前たちはさっさと鬼ごっこに戻れ」
土井先生がそう言った時、彼の傍らに、二人の6年生が音もなく駆け寄ってきた。

 

「「土井先生」」

「文次郎に留三郎じゃないか」
そう。その二人こそ、先刻まで壮絶な戦いを繰り広げていた、潮江文次郎と食満留三郎だった。

「タソガレドキ忍者に狙われているとお聞きしまして」

「微力ながら、我々も加勢します」

「二人とも、気持ちはありがたいが、相手はプロの忍者だ。危険だから、お前たちは下級生を連れて下がっていなさい」


すると、また別方向から声がした。

「そんなことを言っていて、いいんですか」

「仙蔵に長次、それに火薬委員会!」
続いて現れたのは、6年の立花仙蔵と中在家長次、それから火薬委員の4人だった。
仙蔵は、土井先生の前に進み出ると、懐からあるものを取り出した。

「武器がないとお聞きしまして。せっかくの勝負ですから、これをお使いください」

「これは?」

兵庫水軍直伝の投げ宝禄です」

「あぁ。45巻で、6年生が暗殺者の万寿烏と土寿烏と戦うのに使ったものか」
土井先生がぽんと手をたたく。
もっとも、使ったといっても、バレーボールのボールにしただけなのだが。
しかし、その事実をさらりと流して、仙蔵は頷いた。

「そうです。これを使って、しりとりなどいかがでしょうか」

「しり、とり?」
土井先生の頭の中に、たくさんのはてなマークが広がる。

「・・・あの、言葉の最後をつなげていく、アレか?」

「えぇ、そうです。ただし、ふつうにやっても面白くありませんから、ゲームをしながら投げ焙烙を回し、自分の番の時に爆発したら負けという、ルールでいかがでしょう?」
すると、傍らで話を聞いていた尊奈門が、意に介さない様子で言った。

ちょっと待てッ!なんで僕が、そんなアホなゲームで勝負しなきゃいけないんだよ?

そんなことより、さっさと戦いにもどるぞ、土井半すー」
しかし、尊奈門が最後まで言葉を紡ぐことは出来なかった。話の途中で、彼の姿が突如として消えたからだ。

 

「あれ?尊奈門さんが消えた」

「プロの忍者の忍術?」

「違うみたい」
忍たまたちが口々に言い合う中、庄左ヱ門だけは冷静に、尊奈門が消えたあたりを覗き込んで言った。

「落とし穴に落ちたんだ」

「と、いうことは…」

「また、4年い組の穴掘り小僧」

「綾部喜八郎先輩のしわざ…」
忍たまたちが一斉に視線を向けると、当の喜八郎は、マイペースに「いえ~い。ぴーす」などと言ったのだった。

そして…

「いててて…」
穴に落ちた尊奈門が、ぶつけた頭をさすりながら起き上がると、地上から声がふってきた。

「その穴は、落とし穴のトシちゃん4号でーす」
飄々とした風を醸し出すその声こそ、穴を掘った張本人、綾部喜八郎であった。

「なんで、こんなところに落とし穴なんか掘るんだッ!」

「だって、作法委員会が早々に捕まっちゃったから、ヒマなんだもん」

「ヒマなんだもんって、あのなぁ…。こんなところに穴なんか掘ったら危ないだろッ!」
穴の中から、尊奈門は怒鳴った。しかし…

「では、失礼してあちらで穴を掘ってきます」

「おいッ!」
尊奈門の話など全く聞く気がないのか、彼の不満もさらりと無視すると、喜八郎はどこかへ行ってしまった。

「全く…マイペースなやつだな…」
尊奈門がぼやいていると、また別の声が聞こえてきた。

 

「聞こえるか、尊奈門」

「その声は…組頭ぁ~!私のこと、心配して見に来てくれたんですね~」

「そんなことより、尊奈門。これからお前に、土井半助に勝つための秘策を教える

「秘策…ですか?」

「一回しか言わないから、よく聞けよ」

「はっ、はい!」

「それは…」

「それは…?」

 


***************

はい、本日はここまでです。
ここまでお付き合いくださいまして、ありがとうございました!

いよいよ次回、最終回となります
よかったら、あともう少し、お付き合いください。

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