トリブラに愛を注ぎつつ、私的おすすめ本の紹介や、読んだ本にまつわるssなど、思いつくままに・・・
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店主ちゃん、サイト2周年おめでとぉっ!
・・・なんか、テンションちょっと変ですね。慧仲です。
2月29日ですよ、今日は。4年に一度の。
そうか・・・不二くんっお誕生日おめでとうっ!
なんか、2月29日に生まれる人って、天才っぽいですよね。私の記憶している中では、確かテニプリの不二くんとさくらの桃矢兄ちゃんがそうだったと思うのですが・・・
あ、あとハニー先輩とカブトもそうらしい(ただ今、ウィキペディアをカンニング中・・・)
うわっ赤川次郎さんもっ!確かに天才っぽいかも・・・異様に筆が早いですもんね、あの方。
って、話がだいぶ脱線しましたが。
2周年、と言うことで、ささやかながらいつもと違うものを現在用意中です。そちらは、そのうち皆様のお目にかけられれば・・・と思っておりますので、どうぞよしなに。
とりあいず、私もここで記念のSSなぞ。
って、いきなり新世界開拓な上に、激しくネタバレなんですけどね(オイ)
伊坂さんの『魔王』およびその漫画版を読んでいる方は、ご注意ください。
・・・なんか、テンションちょっと変ですね。慧仲です。
2月29日ですよ、今日は。4年に一度の。
そうか・・・不二くんっお誕生日おめでとうっ!
なんか、2月29日に生まれる人って、天才っぽいですよね。私の記憶している中では、確かテニプリの不二くんとさくらの桃矢兄ちゃんがそうだったと思うのですが・・・
あ、あとハニー先輩とカブトもそうらしい(ただ今、ウィキペディアをカンニング中・・・)
うわっ赤川次郎さんもっ!確かに天才っぽいかも・・・異様に筆が早いですもんね、あの方。
って、話がだいぶ脱線しましたが。
2周年、と言うことで、ささやかながらいつもと違うものを現在用意中です。そちらは、そのうち皆様のお目にかけられれば・・・と思っておりますので、どうぞよしなに。
とりあいず、私もここで記念のSSなぞ。
って、いきなり新世界開拓な上に、激しくネタバレなんですけどね(オイ)
伊坂さんの『魔王』およびその漫画版を読んでいる方は、ご注意ください。
☆★
死神でも涙を流すのか、と聞かれたことがある。
少し考えた後に、私は「もちろん」、と答えた。
すると彼は、少し笑って「その間は何だよ、その間は」と嘯く。
別に私は、意識的に開けたわけではない。「少し考えただけだ」と返すと、今度は彼の方が考えこんでしまった。
「そうか、少し考えたか」彼は、自分にだけ言い聞かせるような口調で、同じ言葉を繰り返す。その表情は、どこか意味深だ。
彼があまりに考え込んだ様子だったので、私はもう一度言ってやった。
「そうだ、少し考えただけだ。」
それのどこがおかしい。私はそんな意味をこめて言ったつもりだった。
しかし、私の発言をきいて、彼はあろうことか手をたたいて笑い出した。
「ああ!そうだな!少し(・・)考えただけだもんな。」
なぜ彼が笑うのか分からず、私は不愉快な思いにさらされた。人はよく私の話を聞いて笑う。別に私は、面白いことなど、何も言ってはいないのに。
こういうとき、最近、決まって私の頭の中に蘇えってくる言葉がある。
考えろ、考えろ、マグガイバー。
以前私が担当していた男の言葉だ。もっとも、今の私に考えろなどという言葉は不要だったし、むしろ今この場で何か考えることがあるとすれば、それは今だに正体の分からずにいる「マグガイバー」なるものについてだ。
「なあ」
私は、愉快に笑った男の顔を見下ろして、問いかけた。
「マグガイバーって、何だ?」
「はあ?」
今度は、彼はキョトンとした表情になって、私の顔をまじまじと見つめた。
「千葉は、本当に訳の判んないことばかり言うな。」
失礼な。訳の判らないのは私の方だ。
「・・・でも、その言葉、よく口にしてたやつなら知ってるよ。」
彼の表情が、ふと、何かを懐かしむようなしんみりとしたものに変わった。全く、驚いたり哀愁にふけったり、忙しい男だ。
「誰だ?私の知っている人間か?」
「さあ、知ってるかどうかは知らないけど―安藤って言うんだ。俺の昔の同級生さ。もう、死んじまったけどな。」
「島―」
その男を、私は知っていた。いや、単に知っていたと言うだけではない。その男は私が殺したと言っても、彼には過言ではないかもしれない。
安藤は、かつて私が担当した男だ。7日間の調査の末、私は「可」の判断をした。ありていに言うと、私は彼を「死んでもいい」判断したことになる。それが私の仕事だからだ。私は死神。調査部の指名した人間を7日間調査し、その人間が死ぬことに対して「可」なのか、今回は「見送り」とするのかを判断する役目を負っている。だから、仕事柄上、義務でもないのに彼の最期も見届けた。
彼の最期は、正直、想像もつかないような劇的なものだったと言ってもいい。
だからこそだろうか。
彼の、最期の望みを聞き届けてやるべきかなどと考えたのは―
「おいおい、そんなしんみりすんなって。もう昔の話だよ、千葉さん。」
私が急に無言になったのを、彼は同情とでもとったらしい。わずかに涙の光る目尻に皺を寄せて、彼は無理やりに笑顔を作っていた。
彼が涙を見せまいと必死なのは、軽く見て取れた。
おそらく、この男にとって安藤は、大切な存在だったのだろう。確かに、そういうことはよくある。大切な人間でも、いつかは、他の誰かより先に、死にゆくものなのだ。現に私は、家族にも恋人にも先立たれ、一人歳を重ねた散髪屋の老女に出会ったことがある。実際、彼女と出会ったのは、その時で二度目だった。
だから、仕事柄上、こういう場面に出くわすことはないわけではない。そのことで私は、別段後悔や罪悪感に苛まれることもなかった。
そう、私は死神だから―これは、私の仕事だから―
☆★
これはもともと、『魔王』とその続きを死神千葉の視点から描いた「死神と政治学」というタイトルの作品の試作段階の文だったのですが、なにぶん時間も根気もなく(オイ)身の丈知らずという感じで断念いたしまして、今回とりあいずこれだけ載せてみました。うわっ、超投げ出しな終わり方っ;
ちなみに、もし千葉に興味を持ってくださったなら、ゼヒ彼が主人公の伊坂作品、『死神の精度』を★超オススメです。そのうち映画化もするらしいです。
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